「飼っている爬虫類を手放したいけれど、譲渡って違法にならないの?」「里親はどこで探せばいいの?」と悩んでいる方は多いはずです。爬虫類の譲渡は基本的に合法ですが、種類や方法によっては法律違反になるケースもあります。この記事では、初めて譲渡を考えている方でも迷わないよう、法律の基礎知識から具体的な手順、里親の探し方、よくあるトラブルまで網羅的に解説します。
爬虫類の譲渡は違法?|基本的に合法だが3つの例外に注意

爬虫類の譲渡は、基本的に合法です。
一般の個人が飼育しているペットを無償で他者に譲渡する行為は、動物愛護管理法においても原則として禁止されていません。
ただし、3つの重要な例外があり、これらに該当する場合は譲渡が違法になる可能性があります。
「自分の爬虫類は大丈夫だろう」と思い込まずに、まず以下の例外に該当しないか確認しましょう。
例外①特定動物(ワニ・毒蛇など)は譲渡できない
特定動物とは、人の生命・身体・財産に害を与えるおそれがある動物として、動物愛護管理法で指定された種類を指します。
爬虫類では、ワニ目の全種、毒を持つヘビ(コブラ科・クサリヘビ科など)、オオトカゲ科の大型種などが特定動物に該当します。
特定動物を飼育するには都道府県知事の許可が必要であり、無許可での飼育・譲渡は法律違反となります。
特定動物は原則として個人間での譲渡が禁止されており、違反した場合は100万円以下の罰金が科される可能性があります。
自分が飼育している爬虫類が特定動物に該当するかどうかは、環境省の公式ページで確認するようにしてください。
例外②特定外来生物(カミツキガメなど)も譲渡禁止
特定外来生物とは、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)に基づき指定された、生態系・人体・農林水産業に被害を与えるおそれのある外来生物です。
爬虫類ではカミツキガメ・ハナガメなどが特定外来生物に指定されており、これらは飼育・譲渡・販売・輸入がすべて原則禁止となっています。
ただし、法施行前から飼育していた個体については、届け出を行った上で飼育を継続することが認められていますが、その場合でも譲渡は禁止です。
なお、日本初の体感型動物園「iZoo(イズー)」では、飼いきれなくなったカミツキガメやハナガメを引き取るフィランソロピー(社会貢献)活動を行っています。
参考:飼いきれなくなった爬虫類・両生類の引き取り(iZoo)
特定外来生物の違反には、個人で最大100万円以下の罰金・3年以下の懲役が科される場合があります。
例外③自治体条例で規制される種類もある
国の法律に加えて、都道府県や市区町村の条例によって独自に規制される爬虫類も存在します。
例えば、一部の自治体では大型のニシキヘビや特定のトカゲ類について、飼育届の提出や譲渡の制限を条例で定めているケースがあります。
特に都市部では地域ごとに異なるルールが存在することがあるため、譲渡を行う前に居住する自治体の担当窓口(環境課・生活衛生課など)に確認することを強くお勧めします。
「国の法律では問題ないから大丈夫」と思い込まず、地域の規制も必ずチェックしましょう。
爬虫類譲渡の基礎知識|法律と仕組みをわかりやすく解説

爬虫類の譲渡を安全に行うためには、関連する法律の基本的な仕組みを理解しておくことが大切です。
ここでは、「譲渡」と「売買」の違い、動物愛護管理法における爬虫類の扱い、そして譲渡できる種・できない種について分かりやすく解説します。
「譲渡」と「売買」の違い|金銭の有無がポイント
「譲渡」と「売買」の最大の違いは、金銭のやり取りがあるかどうかです。
無償(お金を受け取らない)で爬虫類を他者に渡すことが「譲渡」であり、対価を受け取る場合は「売買(販売)」に該当します。
爬虫類を販売するには、第一種動物取扱業(動物の販売を業として行う者)としての登録が必要です。
登録なしに爬虫類を販売した場合、動物愛護管理法違反として罰せられる可能性があります。
一方、無償の譲渡であれば一般個人でも行うことができますが、交換(物々交換)については注意が必要です。
交換の場合、お互いが爬虫類を「渡す」行為が生じるため、第一種動物取扱業の登録がない側が動物を渡すことは「無登録販売」とみなされる可能性があるという指摘もあります。
参考:爬虫類の交換は法律違反?
また、「輸送費のみ請求する」「飼育用品をセットで有償譲渡する」といったケースも、実質的な販売とみなされる可能性があるため、慎重に判断する必要があります。
動物愛護管理法における爬虫類の位置づけ
動物愛護管理法(正式名称:動物の愛護及び管理に関する法律)は、動物の適正な飼育・管理と動物の愛護に関するルールを定めた法律です。
爬虫類はこの法律における「動物」に含まれており、不必要な苦痛を与えることの禁止や、適切な飼育・管理の義務が課されています。
また、爬虫類を事業として取り扱う場合(販売・展示・訓練・貸出・競り・輸送など)は、動物取扱業の登録が必要となります。
なお、犬・猫と異なり、爬虫類については一般的な個人間の譲渡に対する制限は少ないですが、特定動物や特定外来生物に関しては別途規制が適用されます。
環境省の資料によれば、爬虫類で第二種動物取扱業の対象となるのは特定動物で3頭以上の場合とされています。
譲渡できる爬虫類・できない爬虫類の一覧
以下の表に、主な爬虫類の譲渡可否をまとめました。
| 種類 | 代表例 | 譲渡の可否 | 根拠法令 |
|---|---|---|---|
| 一般的なトカゲ | ヒョウモントカゲモドキ、フトアゴヒゲトカゲ | ✅ 可(無償) | – |
| 一般的なヘビ | コーンスネーク、ボールパイソン | ✅ 可(無償) | – |
| 一般的なカメ | ギリシャリクガメ、クサガメ | ✅ 可(無償) | – |
| 特定動物(爬虫類) | ワニ全種、コブラ科・クサリヘビ科など | ❌ 不可 | 動物愛護管理法 |
| 特定外来生物 | カミツキガメ、ハナガメ | ❌ 不可 | 外来生物法 |
| ワシントン条約付属書I掲載種 | 一部のカメ・トカゲなど | ⚠️ 要確認 | 種の保存法・CITES |
ワシントン条約(CITES)の規制対象種については、輸出入だけでなく国内流通においても注意が必要です。
参考:譲渡し等の規制及び手続きについて|ワシントン条約と種の保存法(環境省)

爬虫類を譲渡する5つのステップ|初めてでも失敗しない手順

初めて爬虫類を譲渡する場合、どこから手を付ければよいか迷う方も多いでしょう。
ここでは、譲渡を成功させるための5つのステップを順番に解説します。
この手順に従うことで、トラブルを未然に防ぎ、爬虫類にとっても新しい飼い主にとっても良い結果につながります。
ステップ1|譲渡する爬虫類の健康状態をチェック
まず最初に行うべきは、譲渡する爬虫類の健康状態の確認です。
病気や怪我がある状態で譲渡してしまうと、新しい飼い主にとって大きな負担になるだけでなく、後々トラブルの原因になります。
確認すべき主なポイントは以下の通りです。
- 食欲の有無(直近1〜2週間の食事記録)
- 排泄の状態(頻度・色・形状が正常か)
- 皮膚・鱗の状態(脱皮不全・寄生虫・傷の有無)
- 目・口・鼻の状態(分泌物・口内炎の有無)
- 体重の変化(急激な減少がないか)
- 行動の異常(元気がない・動かないなど)
可能であれば、譲渡前に爬虫類専門の動物病院で健康診断を受けることを強くお勧めします。
健康診断書があると、里親候補への信頼感が大幅にアップし、良い里親が見つかりやすくなります。
ステップ2|最適な譲渡方法を選ぶ
健康状態の確認ができたら、次はどの方法で譲渡するかを選択します。
主な譲渡方法には以下のものがあります。
- 個人間譲渡:SNS・掲示板・知人を通じて自分で里親を探す
- ショップへの引き取り依頼:爬虫類専門ショップに持ち込む
- 保護団体への引き渡し:爬虫類を引き取る保護団体・施設を利用する
- 動物園への寄贈:引き取り可能な動物園に相談する
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、自分の状況(時間的余裕・爬虫類の希少性・緊急性など)に合わせて選びましょう。
一般的なペットとして人気のある種(レオパ・コーンスネークなど)は個人間譲渡でも比較的早く里親が見つかりますが、希少種や高齢個体はショップや保護団体を活用した方がスムーズです。
ステップ3|募集内容を作成して里親を探す
里親を募集する際は、詳しくて正確な情報を掲載することが最も重要です。
曖昧な情報や不都合な事実を隠した募集は、後のトラブルにつながります。
効果的な募集内容に含めるべき項目は以下の通りです。
- 種名・モルフ(品種)・性別・推定年齢
- 現在の体長・体重
- 食事の内容と頻度(何をどのくらい食べているか)
- 飼育環境(ケージサイズ・温度・湿度の管理方法)
- 健康状態・既往歴
- 譲渡の理由(正直に記載することが信頼につながる)
- 引き渡し方法(手渡しのみか、発送可能かなど)
- 希望する里親の条件(飼育経験の有無など)
また、複数の鮮明な写真(正面・横・全体・顔のアップなど)を掲載することで、応募数が大幅に増加する傾向があります。
ステップ4|応募者を見極めて適切な里親を選ぶ
応募があったら、里親として適切かどうかをしっかり見極めることが重要です。
里親候補に確認しておくべき主な質問は以下の通りです。
- 爬虫類の飼育経験はあるか(同種の飼育経験があるとなお安心)
- 現在の飼育環境(ケージや設備の準備状況)
- 一人暮らしか家族暮らしか(家族の同意はあるか)
- 長期的な飼育の意思と責任感があるか
- 引き渡し後も連絡を取れる状態か
返答が具体的で丁寧な方、飼育環境の写真を積極的に送ってくれる方は信頼性が高い傾向があります。
逆に、回答が曖昧・返信が極端に遅い・条件に無関心な方には注意が必要です。
複数の応募者がいる場合は、経験・環境・熱意を総合的に判断して最適な里親を選びましょう。
ステップ5|譲渡契約書を交わして引き渡す
里親が決まったら、譲渡契約書(誓約書)を作成・署名してから引き渡しを行いましょう。
契約書があることで、後になって「言った・言わない」のトラブルを防ぐことができます。
譲渡契約書に盛り込むべき主な内容は以下の通りです。
- 譲渡者・受譲者双方の氏名・連絡先
- 譲渡する個体の詳細(種名・特徴・健康状態など)
- 譲渡日・引き渡し場所・方法
- 転売・再譲渡の禁止
- 飼育放棄・遺棄の禁止
- 健康状態の告知内容(既往歴など)
- 飼育に関する責任の所在(引き渡し後は受譲者の責任)
契約書は必ず双方が署名した紙またはPDFで保管し、万一の際に備えましょう。
爬虫類の里親を探せる譲渡サイト・掲示板5選

爬虫類の里親を探せるプラットフォームは複数あります。
それぞれの特徴を理解して、自分の爬虫類に合った方法を選びましょう。
ジモティー|地域密着で対面取引しやすい最大手
ジモティーは、地域の情報を掲載できる国内最大手の無料掲示板サービスです。
爬虫類の里親募集も多数掲載されており、地域を絞った検索ができるため対面での直接引き渡しがしやすいのが最大の特徴です。
ジモティーでは無責任な募集を防ぐため、「譲渡・引取後も必要に応じて飼育状況の確認を行う」「無責任な理由での募集は不可」「譲渡・引取は原則一回まで」といったガイドラインが設けられています。
利用は無料で、写真や動画の掲載も可能です。
対面取引が原則であるため、発送による輸送リスクを避けられる点もメリットです。
爬虫類専門掲示板・フォーラム|愛好家コミュニティで安心
爬虫類専門の掲示板やオンラインフォーラムは、爬虫類愛好家が集まるコミュニティであるため、飼育経験のある里親候補と出会いやすい環境です。
代表的なものとして「ペットまいご(petmaigo)」のような里親情報サイトがあり、カメ・トカゲ・カエル・ヘビなど種別で検索できる機能が充実しています。
また「hugU(ハグー)」のような里親マッチングサイトも活用でき、さまざまな事情から新しい飼い主との出会いを待っている爬虫類が多数掲載されています。
専門コミュニティを利用することで、一般掲示板と比べて飼育知識のある応募者が集まりやすい傾向があります。
X(旧Twitter)|ハッシュタグで拡散力抜群
X(旧Twitter)は、ハッシュタグを活用することで爬虫類愛好家に広く情報を届けられる強力なSNSです。
里親募集の投稿には「#爬虫類譲渡」「#里親募集」「#(種名)譲渡」「#(地域名)爬虫類」などのハッシュタグを組み合わせることで、関心のあるユーザーへリーチしやすくなります。
投稿がリツイート(リポスト)されることで情報が一気に拡散されるため、拡散力は他のプラットフォームより抜群です。
注意点としては、悪意のあるユーザーからDMが来る可能性があるため、個人情報の取り扱いには十分注意しましょう。
鮮明な写真・動画と詳しい飼育情報を添えて投稿することで、誠実な里親候補が集まりやすくなります。
Instagram|写真映えで里親が見つかりやすい
Instagramは、写真・動画が中心のSNSであるため、爬虫類の可愛さや個性を視覚的にアピールするのに最適なプラットフォームです。
高品質な写真を複数枚投稿し、「#爬虫類里親募集」「#(種名)里親」などのハッシュタグを付けることで、興味を持った爬虫類ファンの目に触れやすくなります。
爬虫類系のインフルエンサーや愛好家アカウントにコメントやDMで掲載のご協力をお願いすることで、さらに拡散が期待できます。
ストーリーズやリールを活用して動きのある動画を投稿すると、プロフィールへの誘導効果も高まります。

爬虫類ショップの引き取りサービス|手間なく確実
爬虫類専門ショップの中には、飼育動物の引き取りサービスを提供しているところもあります。
例えば「かめんちゅshop KEEPER2号店」では、里親探しの依頼を受け付けており、水槽に空きがある場合に持ち込みが可能です。
参考:里親探しご依頼方法(かめんちゅshop KEEPER2号店)
ショップ引き取りのメリットは、自分で里親を探す手間が省けること、ショップスタッフが適切な里親に引き渡してくれること、輸送の心配が不要なことなどが挙げられます。
ただし、引き取り条件・手数料・スペースの空き状況はショップによって異なるため、事前に必ず問い合わせましょう。
希少種や状態の良い個体は引き取ってもらえる可能性が高いですが、高齢・状態不良の個体はお断りされるケースも少なくありません。
爬虫類の譲渡先を比較|個人・ショップ・保護団体どれを選ぶ?

譲渡先によってメリット・デメリットが異なります。
自分の状況・爬虫類の状態・希望する引き渡し方法に合わせて最適な選択肢を選びましょう。
個人譲渡のメリット・デメリット
個人譲渡とは、SNS・掲示板・知人を通じて自分で里親を見つける方法です。
- ✅ メリット:里親を自分で見極められる/飼育環境を事前確認できる/飼育についての引継ぎが丁寧にできる
- ❌ デメリット:里親が見つかるまで時間がかかる場合がある/連絡対応や審査の手間がかかる/トラブルリスクがある
希少種や人気モルフは個人譲渡でも早期に里親が見つかりやすいですが、一般的な種でも時間をかければ適切な里親が見つかることが多いです。
ショップ引き取りのメリット・デメリット
ショップへの引き取り依頼は、専門店に持ち込むことで里親探しを委託できる方法です。
- ✅ メリット:里親探しの手間が不要/素早く引き渡せる/専門知識のある担当者が対応してくれる
- ❌ デメリット:引き取り拒否・手数料発生の可能性がある/里親の選定に関与できない/スペース状況次第では受付不可の場合も
急いで手放す必要がある場合や、個人で対応する時間的余裕がない場合はショップ引き取りが有効です。
保護団体への譲渡のメリット・デメリット
爬虫類を専門に扱う保護団体や施設への譲渡も選択肢の一つです。
- ✅ メリット:適切な管理下に置かれる/生体の福祉が守られやすい/引き取り可能な種の幅が広い場合がある
- ❌ デメリット:団体数が少なく地域によっては利用困難/受け入れ可能数に限りがある/引き渡しまでに時間がかかることがある
日本初の体感型動物園iZoo(イズー)のように、飼いきれなくなった爬虫類・両生類を引き取る施設もあります。
【比較表】あなたに最適な譲渡先の選び方
| 比較項目 | 個人譲渡 | ショップ引き取り | 保護団体 |
|---|---|---|---|
| 手間 | 多い | 少ない | 普通 |
| 費用 | 無料 | 手数料の場合あり | 無料〜要相談 |
| 里親の質 | 自分で選べる | ショップに委ねる | 審査あり |
| スピード | 時間がかかる場合あり | 比較的早い | 受け入れ次第 |
| 対応種 | 制限なし(法律の範囲内) | ショップ判断 | 施設による |
時間に余裕があり、大切な爬虫類を信頼できる人に引き継ぎたい場合は個人譲渡が最適です。
急いでいる・手間を省きたい場合はショップ引き取り、生体の福祉を最優先したい場合は保護団体を検討しましょう。
爬虫類の譲渡でよくあるトラブルと回避策

爬虫類の譲渡においては、さまざまなトラブルが発生することがあります。
事前に代表的なトラブルとその回避策を知っておくことで、多くの問題を未然に防ぐことができます。
トラブル①譲渡後に「返したい」と言われる
里親に引き渡した後、「やっぱり飼育が大変だった」「家族に反対された」などを理由に返却を求められるケースがあります。
【回避策】
- 譲渡前に飼育環境・家族の同意・長期飼育の意思を必ず確認する
- 契約書に「返却不可」の条項を明記する
- 引き渡し前に爬虫類の飼育に関する詳細な情報を提供し、飼育難易度を正確に伝える
もし返却を求められた場合、契約書があれば拒否する法的根拠となりますが、動物の福祉を考えると柔軟な対応が必要な場合もあります。
トラブル②譲渡した爬虫類が転売されていた
無償で譲渡したにもかかわらず、里親がオークションやフリマサービスで有償転売していたというトラブルも発生しています。
【回避策】
- 譲渡契約書に「転売・再譲渡禁止」条項を明記する
- 信頼性の高い里親候補を慎重に選ぶ(飼育実績のある人が望ましい)
- 引き渡し後も定期的に飼育状況を確認する習慣をつける
転売が判明した場合、契約書の条項に基づいて対処できますが、実際に取り戻すのは難しいケースも多いため、事前の審査が最も有効な対策です。
トラブル③健康状態を偽って譲渡された
里親として爬虫類を引き取った際、健康状態や病歴について虚偽の情報を告知されていたというトラブルもあります。
【回避策(里親候補の方へ)】
- 引き取り前に動物病院での健康診断書の提出を求める
- 食事・排泄・過去の病歴について具体的に質問する
- 可能であれば引き渡し前に実際に個体を確認する
- 契約書に「健康状態の虚偽告知に関する責任条項」を盛り込む
譲渡する側も、健康状態については誠実に開示することがトラブル防止と信頼関係の構築につながります。
トラブル④連絡が取れなくなった
引き渡し後に里親との連絡が一切取れなくなってしまうケースもあります。
爬虫類の現状が不明になり、適切に飼育されているかどうか確認できない状況は、譲渡者にとって大きな不安要素です。
【回避策】
- 複数の連絡手段(SNS・メール・電話番号)を事前に確認しておく
- 契約書に「定期的な飼育状況の報告義務」を盛り込む
- 引き渡し前に複数回やり取りして相手の誠実さを確認する
安易に見知らぬ人に渡さず、事前のやり取りで十分な信頼関係を築くことが最大の予防策です。
爬虫類を引き取りたい人向け|里親になる際の注意点

里親として爬虫類を引き取る際にも、確認すべき重要なポイントがあります。
引き取り後に後悔しないよう、事前の準備と確認を徹底しましょう。
譲渡元に確認すべき5つの質問
里親として引き取る前に、譲渡元の方へ以下の5つの質問を必ず行いましょう。
- 現在の健康状態・既往歴は?(病気・怪我・感染症の有無)
- 普段の食事の内容と頻度は?(何をどのくらい食べているか、拒食歴はあるか)
- 現在の飼育環境は?(ケージサイズ・温度・湿度の設定値)
- 譲渡の理由は?(問題行動・健康上の理由などが隠れていないか)
- 引き取り後に相談できる窓口はあるか?(飼育方法について引き続き教えてもらえるか)
誠実な譲渡者であれば、これらの質問に対して具体的かつ丁寧に回答してくれます。
回答が曖昧・質問を嫌がる場合は、信頼性に疑問が生じるため注意が必要です。
引き取り前の準備|飼育環境チェックリスト
爬虫類を引き取る前に、受け入れ環境の準備を完了させておきましょう。
- ✅ 適切なサイズのケージが準備できているか
- ✅ 温度管理(バスキングスポット・クールスポット)の設備が揃っているか
- ✅ 湿度調整(霧吹き・ウェットシェルターなど)ができているか
- ✅ UVBライトが必要な種の場合、適切なライトが準備できているか
- ✅ 餌の調達方法(冷凍マウス・コオロギなど)を確保しているか
- ✅ 近くに爬虫類を診られる動物病院があるか確認したか
- ✅ 飼育に関する書籍・情報源を事前に調べているか
引き取り後に「設備が足りない」「餌の調達ができない」という状況になると、生体にとって大きなストレスになります。
引き取り前に万全の準備を整えることが責任ある里親の第一歩です。
輸送・受け取り時の注意点
爬虫類の輸送は、生体に大きなストレスを与える可能性があります。
対面での直接引き渡しが最も安全ですが、遠方の場合は専門の爬虫類輸送サービスや専用の輸送容器を使用することが重要です。
- 輸送容器は密閉性が高く、通気性も確保されたものを使用する
- 夏場・冬場は保冷・保温材を適切に使用して温度管理を行う
- 輸送中は爬虫類が暗い環境にいる方がストレスを受けにくい
- 受け取り後はすぐにケージに移し、数日間は静かな環境でなじませ期間(アクclimation)を設ける
- 新しい環境での初期は食事を強制せず、自発的に食べるのを待つ
受け取り後1〜2週間は特に体調変化に注意し、異常があれば早めに爬虫類専門の獣医師に相談しましょう。
まとめ|爬虫類の譲渡を成功させるチェックリスト

爬虫類の譲渡を成功させるためには、法律の確認から里親の選定、引き渡し後のフォローまで、丁寧に進めることが大切です。
最後に、譲渡を成功させるためのチェックリストをまとめます。
- ✅ 譲渡する爬虫類が特定動物・特定外来生物・条例規制対象でないことを確認した
- ✅ 健康診断を受け、現在の健康状態を正確に把握している
- ✅ 募集内容に種名・年齢・健康状態・飼育環境などを詳しく記載した
- ✅ 里親候補の飼育経験・環境・家族の同意を確認した
- ✅ 転売禁止・返却不可・健康告知などを明記した譲渡契約書を作成・署名した
- ✅ 輸送方法を事前に確認し、生体への負担を最小限にする準備をした
- ✅ 引き渡し後も定期的な飼育状況の確認を行う体制を整えた
爬虫類の譲渡は、適切な手順を踏めば決して難しいものではありません。
大切な生き物が新しい環境でも幸せに暮らせるよう、責任ある譲渡を心がけましょう。

爬虫類の譲渡に関するよくある質問

Q. 爬虫類の譲渡に費用を請求しても違法になりませんか?
A: 基本的に、金銭を受け取って爬虫類を渡す行為は「販売」に該当する可能性があります。爬虫類を販売するには第一種動物取扱業の登録が必要であり、無登録での有償譲渡は違法になりえます。ただし、実費(輸送費など)の実費相当額の範囲であれば問題ないケースもありますが、グレーゾーンのため慎重な判断が必要です。不明な場合は管轄の自治体や動物愛護管理行政窓口に確認することをお勧めします。
Q. 未成年でも爬虫類を譲り受けられますか?
A: 法律上、未成年が爬虫類を譲り受けること自体を禁止する規定はありません。しかし、未成年者は単独での契約行為に制限があるため、親権者(保護者)の同意・署名を得た上で譲渡手続きを行うことが重要です。多くの譲渡者や掲示板では、未成年からの応募に対して保護者の同意確認を必須としています。責任ある飼育のためにも、家族全員が納得した上で引き取るようにしましょう。
Q. 遠方の人に譲渡する場合の輸送方法は?
A: 遠方への輸送は、爬虫類専門の輸送サービスや爬虫類の発送を受け付けている宅配業者を利用するのが一般的です。ただし、一般的な宅配便では生き物の輸送を断られるケースが多く、対応している業者は限られています。輸送容器には断熱材・保温・保冷材を適切に使用し、輸送時間は極力短くなるよう手配しましょう。真夏・真冬の輸送は生体へのリスクが高いため、対面での直接引き渡しを最優先に検討することを強くお勧めします。
Q. 譲渡会やイベントはどこで開催されていますか?
A: 爬虫類の譲渡会・オフ会は、爬虫類専門店・動物園・各種爬虫類イベントなどで定期的に開催されています。開催情報はX(旧Twitter)やInstagramの爬虫類コミュニティアカウント、爬虫類専門掲示板などで告知されることが多いです。お住まいの地域名と「爬虫類 譲渡会」「爬虫類 オフ会」などのキーワードで検索すると、最新のイベント情報を見つけやすいでしょう。
Q. 爬虫類を引き取ってくれる動物園はありますか?
A: 一部の動物園では、飼いきれなくなった爬虫類を引き取るサービスを提供しています。代表的なものとして、静岡県にある体感型動物園「iZoo(イズー)」があり、カミツキガメ・ハナガメ・ミシシッピアカミミガメなど条件付き特定外来生物・特定外来生物の引き取りを行っています。ただし、すべての動物園が引き取りに対応しているわけではなく、種類・状態・タイミングによっては受け入れが難しい場合もあるため、事前に直接問い合わせることが大切です。


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