爬虫類ケージをアクリルで自作する方法|材料・設計図・作り方を完全解説

爬虫類ケージをアクリルで自作する方法|材料・設計図・作り方を完全解説

爬虫類を飼育していると、「市販のケージではサイズが合わない」「もっと観察しやすいケージが欲しい」と感じることはありませんか?そんな悩みを解決するのが、アクリル板を使ったケージの自作です。アクリルは軽量で透明度が高く、加工もしやすいため、DIY初心者でも挑戦できる素材です。この記事では、材料の選び方から設計図の作り方、実際の制作手順、費用シミュレーションまでを完全解説します。自分だけのオリジナルケージを作り、爬虫類との生活をより豊かにしましょう。

目次

アクリルで爬虫類ケージを自作するメリット・デメリット

アクリルで爬虫類ケージを自作するメリット・デメリット

アクリルで爬虫類ケージを自作することには、明確なメリットと知っておくべきデメリットがあります。

購入前に両方をしっかり理解しておくことで、後悔のない選択ができます。

アクリル素材の特徴|軽量・高透明度・加工しやすい

アクリル(PMMA:ポリメタクリル酸メチル)は、ガラスの代替素材として広く使われる透明樹脂です。

透明度はガラスを上回る約92%を誇り、爬虫類の観察ケージとして非常に優れた視認性を発揮します。

重量はガラスの約半分(比重1.19)で、同サイズのガラスケージと比べて大幅に軽量化できます。

また、Pカッターや丸ノコで切断でき、ドリルで穴あけも可能なため、木工経験がある方なら取り組みやすい素材です。

耐衝撃性はガラスの約10〜16倍とされており、万が一落下しても割れにくい安全性も魅力の一つです。

自作ケージのアクリルについて聞いてみた : ヤモリといっしょ

自作ケージのメリット|コスト削減とサイズの自由度

自作ケージの最大のメリットは、飼育種に合わせた完全オーダーメイドのサイズで作れることです。

市販品では対応していない「幅90cm×高さ30cm」のような横長フラット型や、特殊な寸法も自由に設計できます。

コスト面でも、60×45×45cmサイズのアクリルケージを自作した場合、材料費は5,000〜10,000円程度に抑えられることが多く、同サイズの市販品(15,000〜30,000円)と比べて大幅にお得です。

さらに、通気口の位置・扉の開き方・配線穴の有無など、自分の飼育スタイルに合わせた細かいカスタマイズが可能です。

台数を増やせば増やすほど1台あたりのコストを下げられる点も、多頭飼育者には大きなメリットになります。

自作ケージのデメリット|手間と技術が必要

自作には時間と技術の習得が必要で、初めての制作では完成まで半日〜1日以上かかることも珍しくありません。

アクリルの切断・接着は「コツ」が必要で、失敗すると素材が無駄になります。

特に接着剤のはみ出しや白化、切断面のズレは初心者が陥りやすいミスです。

工具を一から揃える場合は、Pカッター・電動ドリル・クランプなどで追加5,000〜15,000円程度のコストが発生します。

また、市販ケージのような「メーカー保証」はなく、水漏れや強度不足が生じた場合はすべて自己責任で対処する必要があります。

アクリル・ガラス・木製ケージの比較表

素材ごとの特性を一目で比較できるよう、以下の表にまとめました。

比較項目 アクリル ガラス 木製
透明度 ◎(約92%) ○(約90%) ×
重量 ◎ 軽い △ 重い ○ 中程度
加工のしやすさ △ 専門工具必要
保温性
耐衝撃性 ◎ 割れにくい × 割れやすい
材料コスト ○ 中程度 △ 高め ◎ 安い
耐湿性 △ 腐食リスク

観察重視かつ軽量・耐衝撃が求められる場合はアクリル、保温性重視ならば木製、重厚感や傷つきにくさを求めるならガラスがそれぞれ適しています。

自作と市販ケージどっちがいい?判断基準を解説

自作と市販ケージどっちがいい?判断基準を解説

「自作か市販か」は、コスト・時間・スキルのバランスで判断するのがポイントです。

どちらが正解かは飼育者の状況によって異なるため、具体的な判断基準を確認しましょう。

費用比較|自作と市販の価格差はどれくらい?

60×45×45cmサイズを例に、自作と市販の費用を比較します。

項目 自作 市販品
材料費・本体価格 6,000〜10,000円 15,000〜30,000円
初期工具代(初回のみ) 5,000〜15,000円 不要
2台目以降の1台コスト 6,000〜10,000円 15,000〜30,000円

工具代を含めた初回総コストは11,000〜25,000円程度で、市販品と同等かやや安い程度です。

しかし2台目以降は工具代が不要なため、材料費のみで済み、台数が増えるほど自作のコストメリットが大きくなります。

多頭飼育で3台以上作る予定がある場合は、自作の方が総コストで明確に有利です。

自作が向いている人・向いていない人チェックリスト

【自作が向いている人】

  • DIYや工作が好き・得意な人
  • 市販品にない特殊サイズが必要な人
  • 複数台のケージを用意したい多頭飼育者
  • 時間と制作過程を楽しめる人
  • 細部まで自分の飼育スタイルに合わせたい人

【自作が向いていない人】

  • 工具の扱いに不安がある・DIY未経験の人
  • 1台だけ用意できれば十分な人
  • すぐにケージを用意しなければならない急ぎの人
  • 制作にかける時間が確保できない人
  • 失敗リスクを極力避けたい人

上記を参考に、自分のスキルと目的を照らし合わせて判断してみてください。

爬虫類アクリルケージ自作に必要な材料【完全リスト】

爬虫類アクリルケージ自作に必要な材料【完全リスト】

材料を事前に揃えておくことが、自作成功の第一歩です。

漏れがないよう、以下のリストをもとに一つひとつ確認しましょう。

アクリルだけで簡単に作れる観賞性最高のオールクリアケージ

アクリル板の選び方|厚さ・サイズ・種類の決め方

アクリル板には押出し成形板とキャスト板(鋳込み板)の2種類があります。

キャスト板は透明度・硬度・切断面の仕上がりが優れており、爬虫類ケージにはキャスト板の使用を推奨します。

厚さの目安は以下の通りです。

  • 2mm:小型ケージ(30cm以下)の側面・天面向け
  • 3mm:中型ケージ(30〜60cm)の側面・天面に最適(最も汎用的)
  • 5mm:大型ケージ(60cm以上)の底面・側面に推奨

底面には荷重がかかるため、底板は1段厚いサイズを選ぶのが基本です。

サイズは必要寸法より大きめを購入し、カットして使用します。

接着剤の選び方|アクリル専用を必ず使う理由

アクリル板の接着には、必ずアクリル専用の溶剤系接着剤を使用してください。

一般的な瞬間接着剤や木工ボンドは使用不可です。白化・剥離・強度不足の原因となります。

代表的な製品は以下の2種類です。

  • クローバーアクリサンデー(二塩化メチレン系):流し込みタイプで接着面に毛細管現象で浸透し強固に接着。最も一般的で初心者向け。
  • セメダインAC-700:やや粘度があり、隙間が生じやすい箇所に適する。補強用途にも使える。

溶剤系接着剤は揮発性が高いため、必ず換気した環境で使用し、目や皮膚への付着を避けてください。

その他の材料|蝶番・メッシュ・パッチン錠など

アクリル板と接着剤以外にも、以下の部材が必要です。

  • 蝶番(ちょうつがい):扉の開閉に使用。ステンレス製が錆びにくくおすすめ。2〜4個使用。
  • パッチン錠(ラッチ):扉の閉まりを固定する金具。脱走防止に必須。2個以上推奨。
  • ステンレスメッシュ(金網):通気口や天面に使用。目の細かさは飼育種に合わせて選択。
  • アルミアングル:コーナーの補強・枠組みに使用。強度を上げたい場合に有効。
  • シリコンシーラント:防水処理・隙間塞ぎに使用。爬虫類対応の無毒タイプを選ぶ。
  • 両面テープ・マスキングテープ:仮組みや接着時の固定に使用。

参考:フトアゴケージ制作記 制作-完成編|あきたはるな

材料の購入先|ホームセンター・通販・専門店を比較

購入先 メリット デメリット
ホームセンター 実物確認可・その日に入手・カットサービスあり サイズ・種類が限られる
通販(Amazon・楽天等) サイズ・種類が豊富・比較しやすい 送料がかかる・実物確認不可
アクリル専門店 高品質・カット精度高・相談可能 価格がやや高め

初めての方はホームセンターでカットサービスを利用する方法が最もハードルが低くおすすめです。

大量購入・特殊サイズが必要な場合は通販やアクリル専門店が適しています。

アクリルケージ自作に必要な工具一覧

アクリルケージ自作に必要な工具一覧

適切な工具を揃えることで、制作の精度と安全性が大きく向上します。

必須工具とあると便利な工具に分けて解説します。

必須工具|Pカッター・電動ドリル・定規

  • Pカッター(アクリルカッター):アクリル板を筋彫り・折り割りするための専用カッター。一般カッターより溝が深くなり、きれいに切断できる。価格目安:500〜1,500円。
  • 電動ドリル(またはドリルドライバー):通気口・配線穴・金具取り付け穴の穴あけに必要。ビット各種も用意する。価格目安:3,000〜10,000円。
  • スチール定規(金属定規):直線カットのガイドとして使用。木製や樹脂製は刃がずれやすいため金属製が必須。価格目安:500〜1,000円。
  • スコヤ(直角定規):直角確認に必須。組み立て時の歪みを防ぐ。価格目安:800〜2,000円。
  • 注射器型接着剤アプリケーター:溶剤接着剤を接着面に細く流し込むために使用。

あると便利な工具|クランプ・ヒートガン

  • クランプ(C型・F型):接着中にパーツを固定する万力。接着剤が硬化するまでずれを防ぐ。2〜4個あると安心。価格目安:1,000〜3,000円(セット)。
  • ヒートガン(またはドライヤー):アクリルを温めて曲げ加工(コーナーR加工)する際に使用。配線口の丸め加工にも有効。価格目安:2,000〜5,000円。
  • 丸ノコ(テーブルソー):長い直線カットを精度よく行いたい場合に有効。初心者には扱いに注意が必要。
  • サンドペーパー(320〜600番):切断面のバリ取り・研磨仕上げに使用。複数の番手を用意すると便利。

工具がない場合の対処法|カット外注という選択肢

工具を揃えるコストや手間が気になる場合は、アクリル板のカットを外注する方法があります。

ホームセンターのカットサービスでは、1カット50〜100円程度で直線切りに対応しています。

通販のアクリル専門店(例:はざいや、アクリサンデー公式通販など)では寸法指定のカット済み販売も行っており、自宅に届いたらすぐ組み立てに入れます。

カット外注を利用すれば、必要な工具はドリルと接着用アプリケーターのみに絞ることができ、初心者でも取り組みやすくなります。

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爬虫類ケージの設計図の作り方と寸法の決め方

爬虫類ケージの設計図の作り方と寸法の決め方

設計図は制作全体の土台です。ここで寸法ミスや設計ミスがあると、完成後に問題が発生します。

事前にしっかり設計しておくことで、材料の無駄もなくなります。

基本設計の考え方|5面+扉の箱型構造

アクリルケージの基本構造は、底面・背面・左側面・右側面・天面の5枚の固定パネル+扉(前面)で構成されます。

各パネルの接合方法は「差し込み型」と「突き合わせ型」の2種類があります。

  • 差し込み型:側面板を底面板の上に乗せる形。底面が広くなるため安定性が高い。
  • 突き合わせ型:各面を端面で接合する形。設計がシンプルで初心者向け。

扉は前開き観音扉スライド式引き戸が一般的で、前者は開口部が広く生体のお世話がしやすい利点があります。

設計図はノートに手書きでも問題ありませんが、無料CADソフト(LibreCAD等)を使うと精度の高い図面が描けます。

【そのまま使える】60×45×45cmケージの寸法表

最も汎用性の高い60×45×45cmサイズのアクリル板カット寸法表を以下に示します(板厚3mmの突き合わせ型の場合)。

パーツ名 枚数 寸法(幅×高さ)
底面 1枚 600mm × 450mm
背面 1枚 600mm × 450mm
左側面 1枚 444mm × 450mm
右側面 1枚 444mm × 450mm
天面 1枚 600mm × 450mm
前扉(左右各1枚) 2枚 294mm × 438mm(クリアランス考慮)

※板厚3mm換算の突き合わせ接合例です。接合方式や板厚が変わる場合は各寸法を調整してください。

飼育種別の推奨サイズと設計ポイント

飼育種 推奨ケージサイズ 設計ポイント
フトアゴヒゲトカゲ 90×45×45cm以上 通気性重視・UVランプ穴必要
レオパードゲッコー 45×30×30cm以上 低め設計・ウェットシェルター配置考慮
コーンスネーク 60×45×45cm以上 脱走防止強化・ロック必須
カメレオン 60×60×90cm(縦長) 縦長設計・全面メッシュ化推奨
ヤモリ(小型種) 30×30×45cm 脱走防止・縦方向の空間確保

飼育種の成体サイズを事前に調べ、成体時のサイズを基準に設計することが重要です。

通気口の位置とサイズ|湿度管理を考慮した設計

通気口の設計は飼育種の湿度ニーズに合わせて変える必要があります。

乾燥系(フトアゴ・レオパなど):天面と前面下部に通気口を設けることで、上下の空気循環を促し湿度を下げやすくします。

多湿系(カメレオン・ヤドクガエルなど):通気口面積を最小限に抑えるか、側面下部のみに設けて湿度が逃げにくくします。

通気口にはステンレスメッシュをシリコンで固定し、脱走や虫の侵入を防止します。

通気口のサイズの目安は、天面の場合でケージ内面積の15〜30%程度が適切とされています。

アクリル爬虫類ケージの作り方【7ステップ完全手順】

アクリル爬虫類ケージの作り方【7ステップ完全手順】

ここでは60×45×45cmのアクリルケージを例に、制作手順を7つのステップで解説します。

各ステップを順番通りに進めることで、失敗リスクを最小限に抑えられます。

STEP1:アクリル板のカット|まっすぐ切るコツ

Pカッターを使って切断する場合は、金属定規をしっかりと固定し、同じ線を5〜8回繰り返し溝を深く入れることが重要です。

溝が十分に深くなったら、定規の端をテーブルの端に合わせて素早く下に折ることでクリーンに割れます。

板厚3mmの場合、溝の深さは0.5〜0.7mm程度を目安にします。

マスキングテープを切断線に沿って貼っておくと、カット時の傷防止と切断線の視認性向上に役立ちます。

STEP2:切断面の処理|バリ取りと研磨

切断直後のアクリル板の端面はギザギザしてバリ(突起)がある状態です。

まず240番のサンドペーパーで全体を均してから、400番→600番の順で仕上げ研磨を行います。

端面を滑らかにすることで、接着剤の密着性が向上し、接合部の強度が高まります。

研磨後は端面を触ってざらつきがなくなっていることを確認してください。

STEP3:穴あけ加工|通気口・配線穴の作り方

アクリルへの穴あけは、専用のアクリル用ドリルビット(先端角118°)または木工用ステップドリルを使用します。

通常の金属用ドリルビットはアクリルに適しておらず、ヒビ割れの原因になります。

低速(500rpm以下)でゆっくり穴あけするのが基本です。高速で回転させると摩擦熱でアクリルが溶けてしまいます。

穴あけ箇所の裏側に木材の端材を当てておくと、穴抜け時の割れを防止できます。

通気口にメッシュを設ける場合は、穴径より一回り大きい正方形・長方形の開口をジグソーやルーターで切り抜きます。

STEP4:仮組み|接着前の位置確認と調整

接着剤を使う前に、必ず全パーツを仮組みして寸法と位置を確認します。

マスキングテープで仮固定し、直角・水平・隙間がないかを四方から確認してください。

仮組みの段階でズレや隙間が見つかった場合は、カットし直してから接着に進みます。

接着後の修正は非常に困難なため、この工程を省略しないことが失敗を防ぐ最重要ポイントです。

STEP5:接着|アクリル専用接着剤の正しい使い方

仮組みが完了したら、いよいよ接着作業です。

  1. 接着面のほこりや油分をアルコールで拭き取る
  2. パーツをクランプで固定し、接合部をぴったり合わせる
  3. 注射器アプリケーターで溶剤接着剤を接合部に流し込む
  4. 毛細管現象で接着剤が全体に行き渡るのを確認する
  5. 15〜30分そのまま動かさずに放置する
  6. 完全硬化まで24時間は荷重をかけない

接着剤のつけすぎは白化の原因となります。少量をムラなく浸透させるイメージで作業しましょう。

STEP6:補強と仕上げ|強度を上げるテクニック

大型ケージや重いものを内部に入れる場合は、コーナー部分にアルミアングルやアクリルの補強リブを追加接着します。

底面と側面の接合部にはシリコンシーラントを内側から充填することで、防水性と強度を同時に高めます。

シリコンは爬虫類対応の無毒タイプ(硬化後無害)を必ず選び、完全硬化(約24〜48時間)後に生体を入れてください。

外観仕上げとして、端面にアクリルポリッシュ(研磨剤)を使うと透明感が増し、見た目が美しくなります。

STEP7:扉・金具の取り付け|脱走防止のポイント

扉の蝶番は上下2箇所以上に取り付け、ガタつきを防ぎます。

アクリル板への金具取り付けは、下穴(タップ穴)を開けてからネジ止めするか、専用のアクリル用接着ネジを使用します。

パッチン錠は扉の中央と下部の2箇所に取り付けると、ボールパイソンやコーンスネークなどの力が強い種の脱走防止に有効です。

扉と本体の間に0.5〜1mm程度のクリアランスを設けると、開閉がスムーズになります。

オールクリアのアクリルケージを自作してみました

爬虫類ケージ自作で失敗しないための注意点

爬虫類ケージ自作で失敗しないための注意点

自作でよく起きるトラブルは、事前に原因と対策を知っておくことで大半が防げます。

以下の3つのミスは特に多いため、しっかり確認しておきましょう。

接着面が白く曇る原因と対策

接着後にアクリルが白く曇る「白化現象(クレイジング)」は、最も多い失敗の一つです。

主な原因は以下の通りです。

  • 接着剤のつけすぎ(溶剤が蒸発する際に白化)
  • 高湿度環境での作業(湿気が溶剤に混入)
  • 接着面に油分・指紋が残っていた

対策:作業前に接着面をアルコールで脱脂する、湿度の低い日に作業する、接着剤は最小限の量を使用する。

軽度の白化はアクリルポリッシュで目立たなくできる場合がありますが、深刻な白化は修復が難しいため予防が肝心です。

穴あけでヒビが入る原因と対策

穴あけ時にヒビが入る主な原因は、ドリルの回転速度が高すぎる・不適切なビットの使用・端から近すぎる位置での穴あけです。

対策:ドリルビットは必ずアクリル対応のものを使用し、回転数は500rpm以下に設定します。

穴の位置は端から最低でも板厚の3倍以上(3mm板なら9mm以上)離れた場所に設定してください。

また、穴あけ前にマスキングテープを貼り、裏面に端材を当てることでヒビ割れリスクを大幅に減らせます。

寸法ズレ・歪みを防ぐコツ

寸法ズレは、カット時の定規のずれ・測定ミス・接着時の歪みの3つが主要因です。

対策として、カット前に2回以上の寸法確認を習慣にし、定規はクランプで固定してずれを防ぎます。

接着時は必ずスコヤ(直角定規)を使って直角を確認しながら固定することで、歪みを防止できます。

大型ケージの場合は、組み立て用の治具(ジグ)を事前に作成しておくと、複数面を同時に固定できて歪みが出にくくなります。

簡単な爬虫類ケージの作り方】~自作ケージの作製方法とその注意点

自作アクリルケージの費用シミュレーション

自作アクリルケージの費用シミュレーション

実際にどの程度の費用がかかるのかを、具体的な数字でシミュレーションします。

「材料費だけでなく工具代も含めた総コスト」を把握することが正確な判断につながります。

60×45×45cmケージの材料費内訳

材料 数量・規格 概算価格
アクリル板(3mm・キャスト) 約0.6m²相当 3,000〜5,000円
アクリル溶剤接着剤 1本 500〜1,000円
蝶番(ステンレス) 4個 400〜800円
パッチン錠 2〜4個 300〜600円
ステンレスメッシュ 適量 500〜1,000円
シリコンシーラント 1本 300〜600円
その他消耗品(テープ・サンドペーパー等) 適量 300〜500円
合計 約5,300〜9,500円

工具を揃える場合の追加コスト

工具 概算価格 備考
Pカッター 500〜1,500円 消耗品・必須
金属定規(30〜60cm) 500〜1,000円 必須
電動ドリル 3,000〜10,000円 必須(既持参なら不要)
クランプ(2〜4個セット) 1,000〜3,000円 推奨
工具合計(初回) 約5,000〜15,500円 2台目以降は不要

市販ケージとのコスト比較|何台作れば元が取れる?

60×45×45cmサイズの市販アクリルケージの価格は概ね15,000〜25,000円程度です。

自作の場合、材料費は約7,000円(中央値)、初回工具代が約10,000円とすると、初回総コストは約17,000円です。

2台目以降は材料費のみ(約7,000円)なので、2台目から1台あたり約8,000〜18,000円の節約になります。

つまり工具代を回収できるのは2台目で、多頭飼育者や今後も台数を増やす予定がある方には明確に自作がおすすめです。

完成後のメンテナンスと長持ちさせるコツ

完成後のメンテナンスと長持ちさせるコツ

丁寧に作ったアクリルケージも、日常のメンテナンス次第で美しさと強度を長く保てます。

逆に間違ったケアをすると、劣化や変形が早まるため注意が必要です。

日常の掃除方法|傷をつけない拭き方

アクリルはガラスよりも傷つきやすい素材です。乾拭きは絶対に避けてください。

日常の掃除は以下の手順で行います。

  1. 柔らかいマイクロファイバークロスを水で濡らして軽く絞る
  2. アクリル面を一方向に優しくなでるように拭く
  3. 汚れがひどい場合は中性洗剤を薄めた水溶液を使用する
  4. 最後に乾いたマイクロファイバークロスで水気を取る

ペーパータオルやキッチンペーパーは細かい傷の原因になるため、必ずマイクロファイバー素材のクロスを使用してください。

傷がついた時の補修方法

細かい傷はアクリルポリッシュ(コンパウンド)で磨くことで目立たなくできます。

市販のアクリル用研磨剤(例:アクリサンデー研磨クリーム)を柔らかいクロスに少量取り、円を描くように磨いた後、から拭きで仕上げると透明感が戻ります。

深い傷は600番→1000番→2000番のサンドペーパーで段階的に研磨してから、ポリッシュで最終仕上げする方法が有効です。

ただし深い傷は完全には消えない場合もあるため、傷防止のフィルムを貼る予防策も検討してください。

避けるべきNG行為|変形・劣化の原因

  • 有機溶剤(アルコール・シンナー・ベンジンなど)での拭き掃除:表面が白化・溶解する原因になります。
  • 60℃以上の熱湯・熱風の直当て:アクリルのガラス転移温度は約80〜100℃ですが、長時間の熱は変形リスクがあります。
  • 強い紫外線の長時間照射:一般アクリルは紫外線で黄変します。UV対応品(UV吸収剤入り)を選ぶか、適切な距離でライトを配置してください。
  • 重いシェルターや岩石の急落下:ケージ内への重量物の落下は割れ・ヒビの原因になります。

まとめ|アクリルケージ自作を成功させるポイント

アクリルで爬虫類ケージを自作することは、初心者でも正しい手順と材料選びを押さえれば十分に実現可能なDIYプロジェクトです。

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • 材料はキャスト板(3mm〜5mm)+アクリル専用溶剤接着剤を選ぶ:素材選びが仕上がりの品質を大きく左右します。
  • 設計図を事前に紙に起こし、カット寸法を細部まで確定させる:仮組みを必ず行い、接着前に全ての寸法を確認してください。
  • 接着剤の白化・穴あけのヒビ割れは予防策で防げる:換気・脱脂・低速ドリルの3点を徹底しましょう。
  • 工具代を含めた総コストで市販品と比較する:2台目以降は大きなコストメリットが生まれます。
  • 完成後のメンテナンスにはマイクロファイバークロスと中性洗剤を使う:傷と劣化を防ぎ、長く美しい状態を保てます。

自分の手で作ったオリジナルケージは、市販品にない特別な愛着が生まれます。

ぜひこの記事を参考に、あなたの爬虫類に最適なアクリルケージ制作に挑戦してみてください。

参考動画:【特大木製ケージの作り方①】材料費1万円未満で簡単に作れる爬虫類ケージ

参考:爬虫類のケージを自作するための材料比較ガイド|アルミ・木製

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この記事を書いた人

爬虫類専門店で15年以上、爬虫類の販売と飼育サポートを行っています。爬虫類ペットの栄養のプロとして、年間500匹以上の爬虫類の飼育相談に対応。特にヘビ・トカゲ・カメの飼育に精通しています。「爬虫類との暮らしをもっと楽しく、もっと安心に」をモットーに、初心者の方から上級者の方まで、正しい知識と実践的なノウハウをお届けします。

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