爬虫類を飼ううえで、温度と湿度の管理は体調に直結します。少しのズレでも食欲が落ちたり、病気につながったりするため、まずは「正しく測れる環境」を作ることが大切です。とはいえ、温湿度計は種類が多く、「どれを選べばいい?」「置き場所はここで合ってる?」と迷ってしまいますよね。
この記事では、爬虫類用温湿度計の種類の違いから、選ぶときに確認したいポイント、目的別のおすすめ、設置のコツ、精度の確かめ方までをわかりやすくまとめました。初めての方はもちろん、飼育環境を見直したい方にも役立つ内容です。
爬虫類の温湿度計選びで押さえるべきポイント

爬虫類用温湿度計を選ぶ際に最も大切なのは、精度・視認性・設置方法の3要素です。
まず精度については、湿度±5%以内、温度±1℃以内の製品を選ぶことが基本となります。
市販されている爬虫類用温湿度計の多くは、温度0~50℃、湿度20~90%の測定範囲を持ち、温度誤差±1℃、湿度誤差±5%(40%~70%の範囲)という仕様が一般的です。
夜間でも数値を確認しやすい、ライト付きや表示が大きいデジタルタイプがおすすめです。
設置方法は、ケージの材質や構造に合わせて吸盤式・マグネット式・スタンド式から選択し、ホットスポット側とクールスポット側の2箇所に設置することが温度勾配管理の基本です。
価格帯は2,000円以下のエントリーモデルから、プローブ付き高精度モデル、スマートフォン連携型まで幅広く、飼育する種や管理レベルに応じて選択できます。
温湿度管理が爬虫類の命を守る3つの理由
爬虫類は変温動物であり、体温を自ら調節できないため、環境温度が直接生命活動に影響します。
①代謝機能の維持:適正温度から外れると消化酵素の働きが低下し、餌を食べても消化不良を起こします。
例えばヒョウモントカゲモドキでは、26~32℃の範囲で活発に活動し消化が正常に行われますが、20℃以下では消化機能が著しく低下するのです。
②免疫システムの正常化:低温環境では免疫力が低下し、呼吸器感染症や皮膚病のリスクが高まります。
特に湿度管理が不適切な場合、脱皮不全や呼吸器疾患の原因となり、重症化すると命に関わる危険があるのです。
③繁殖行動の誘発:多くの爬虫類は季節的な温度変化や湿度変化を繁殖のトリガーとしています。
繁殖を目指す場合、±1℃レベルの精密な温度管理と、種ごとに異なる湿度設定が必須となります。
これらの理由から、温湿度計による継続的なモニタリングは飼育の生命線といえるでしょう。
人気爬虫類5種の適正温度・湿度
主要な爬虫類の適正温湿度を一覧にまとめました。
| 種名 | ホットスポット温度 | クール側温度 | 湿度 |
|---|---|---|---|
| ヒョウモントカゲモドキ | 32~35℃ | 26~28℃ | 40~50% |
| フトアゴヒゲトカゲ | 38~42℃ | 28~32℃ | 30~40% |
| コーンスネーク | 28~30℃ | 24~26℃ | 50~60% |
| ボールパイソン | 30~32℃ | 26~28℃ | 60~70% |
| クレステッドゲッコー | 26~28℃ | 22~24℃ | 60~80% |
これらの数値は目安であり、個体差や季節によって微調整が必要です。
特に繁殖期や脱皮前後は、より細かな管理が求められるため、正確な温湿度計での測定が不可欠となります。
選び方と設置場所の答え
選び方:初心者はデジタル式温湿度計(2,000円前後)を選び、精度±1℃/±5%を確認してください。
繁殖や希少種飼育者はプローブ付き高精度モデル、外出が多い方はスマートフォン連携型を選びましょう。
設置場所:温湿度計は必ず2個設置し、①ホットスポット直下、②クールスポット側に配置します。
設置高さは、地表性種なら床面から5~10cm、樹上性種なら生活圏の中心となる高さに合わせてください。
ライトや霧吹きの直撃を避け、爬虫類が実際に生活する空間の温湿度を測定できる位置が適しています。
爬虫類用温湿度計の種類と特徴を徹底比較

爬虫類飼育に使用される温湿度計は、大きく分けてアナログ式・デジタル式・スマート温湿度計の3タイプに分類されます。
それぞれに良い点と気をつけたい点があり、飼育環境や普段の管理のしかたによって向いているものは変わります。
アナログ式温湿度計|安価だが精度に要注意
アナログ式温湿度計は、バイメタルやヘアーハイグロメーター(毛髪式)などの物理的な仕組みで温湿度を表示します。
メリットは、電池不要で半永久的に使用でき、価格が500~1,500円程度と安価な点です。
視覚的に針が動くため、一目で変化を把握しやすいという利点もあります。
デメリットは、精度が±5~10%と低く、経年劣化で誤差が拡大しやすい点です。
特に湿度センサーは湿気の影響を受けやすく、定期的な校正(キャリブレーション)が必要となります。
また、細かい数値が読み取りにくく、暗所での視認性が悪いため、シビアな温湿度管理が必要な種には不向きです。

アナログ式は、温湿度の大まかな把握で十分な場合や、予算を抑えたい初心者に適しています。
デジタル式温湿度計|爬虫類飼育者の定番
デジタル式温湿度計は、電子センサーで温湿度を測定し、液晶ディスプレイに数値表示するタイプです。
爬虫類飼育者の間では最も普及しており、精度・視認性・機能性のバランスが優れています。
標準的なデジタル式の仕様は、温度測定範囲0~50℃(±1℃)、湿度測定範囲20~90%(±5%、40~70%範囲内)となっています。
価格帯は1,000~3,000円程度で、最高最低値記録機能やバックライト、外部プローブ付きモデルなど、バリエーションが豊富です。
メリットは、数値が明確に読み取れ、多機能でありながら手頃な価格で入手できる点です。
最高最低値記録機能があれば、留守中の温度変動も把握でき、異常の早期発見に役立ちます。
デメリットは、電池交換が必要なこと、安価なモデルでは精度にばらつきがある点です。
また、本体センサーのみの製品は設置場所が限定されるため、プローブ付きモデルの選択をおすすめします。

詳しくはこちらの動画で実際の使用感を確認できます。
スマート温湿度計|アプリ連携で24時間監視
スマート温湿度計は、Wi-FiやBluetoothでスマートフォンと連携し、リアルタイムでデータ確認やアラート通知を受け取れる最新タイプです。
価格は3,000~10,000円程度と高めですが、外出先からの監視や長期データ記録が可能です。
メリットは、温湿度の異常時にスマートフォンへ通知が届くため、トラブルを即座に把握できる点です。
クラウド上にデータが蓄積されるため、月単位・年単位での温湿度変化を分析でき、繁殖管理や季節調整に活用できます。
複数のケージを管理する場合、1つのアプリで全ケージの状態を一元管理できる利点もあります。
デメリットは、Wi-Fi環境が必須であること、アプリの操作に慣れが必要な点です。
また、メーカーのサービス終了によりアプリが使用不可になるリスクや、Bluetooth接続の場合は通信距離に制限があります。
スマート温湿度計は、外出が多い方や複数ケージを管理する中級者以上に適しています。
【比較表】3タイプの特徴まとめ
各タイプの特徴を比較表にまとめました。
| 項目 | アナログ式 | デジタル式 | スマート式 |
|---|---|---|---|
| 価格帯 | 500~1,500円 | 1,000~3,000円 | 3,000~10,000円 |
| 精度 | ±5~10% | ±1℃/±5% | ±0.5℃/±3% |
| 視認性 | △(暗所×) | ◎(液晶明瞭) | ◎(アプリ確認) |
| 電池 | 不要 | 必要(年1~2回) | 必要(年2~4回) |
| 記録機能 | なし | 最高最低値のみ | 長期データ保存 |
| アラート | なし | 一部モデルのみ | スマホ通知 |
| 適している人 | 予算重視の初心者 | 一般飼育者(定番) | 外出多い・複数管理 |
初めての爬虫類飼育ではデジタル式が最もバランスが良く、予算に余裕があればスマート式の導入を検討する、という選択が現実的です。
失敗しない爬虫類用温湿度計の選び方【5つのチェックポイント】

温湿度計を購入する際は、以下の5つのチェックポイントを確認することで、失敗のリスクを大幅に減らせます。
①精度|±3%以内を目安に選ぶ
温湿度計の正確さは、爬虫類の体調管理にそのまま影響します。
温度精度は±1℃以内、湿度精度は±5%以内(40~70%の範囲)を目安に選びましょう。
一般的な爬虫類用デジタル温湿度計の仕様では、温度0~50℃(±1℃)、湿度20~90%(±5%(40~70%)、それ以外±8%)という精度が標準的です。
ただし、安価な製品では実際の精度が仕様より劣ることがあるため、購入後は必ず精度チェックを行うことをおすすめします。
特に繁殖や希少種飼育では、±0.5℃レベルの高精度モデルが必要になる場合があるのです。
精度が低い温湿度計を使用すると、実際の環境が適正範囲から外れていても気づけず、爬虫類の体調不良や死亡につながるリスクがあります。
②視認性|暗い部屋でも読みやすいか
爬虫類飼育では夜間の温度チェックも重要なため、暗所でも数値が読み取れる視認性が求められます。
バックライト付きのデジタル式や、大型液晶ディスプレイを採用したモデルをおすすめします。
数字の表示サイズは、ケージから1~2m離れた位置でも判読できる大きさ(10mm以上)が理想です。
また、温度と湿度が同時に表示されるデュアルディスプレイタイプなら、一目で両方の数値を確認できます。
アナログ式の場合、針の色や文字盤のコントラストが明瞭かどうかを購入前に確認しましょう。

③設置方法|吸盤・マグネット・スタンドの違い
温湿度計の設置方法は、ケージの材質と構造によって選ぶ必要があります。
吸盤式:ガラス製ケージやアクリルケージに最適で、取り付け・取り外しが容易です。
ただし、吸盤の劣化や湿気で剥がれやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。
マグネット式:金属製ケージや網ケージに使用でき、しっかり固定できるメリットがあります。
ただし、ガラスやプラスチックケージでは使用できないため、汎用性に欠けます。
スタンド式:床置きタイプで、どのケージにも使用できる汎用性の高さが特徴です。
ただし、爬虫類が倒したり噛んだりするリスクがあるため、配置場所に注意が必要です。
多くのデジタル式温湿度計は、吸盤・マグネット・スタンドの3way仕様となっており、柔軟な設置が可能です。
④プローブ(外部センサー)の有無
プローブ(外部センサー)付きの温湿度計は、本体とは別の位置の温湿度を測定できる優れものです。
プローブ付きのメリットは、本体をケージ外に設置しながら、センサー部分だけをケージ内の測定したい位置に配置できる点です。
特に小型ケージや多湿環境では、本体の液晶が曇ったり故障したりするリスクを避けられます。
また、ホットスポット直下やシェルター内部など、本体を設置できない場所の温湿度測定が可能になります。
プローブのケーブル長は1~2m程度が一般的で、複数のケージを並べて管理する場合にも便利です。
プローブなしの製品は、設置場所が限定される代わりに、価格が安くシンプルで故障しにくいメリットがあります。
初心者で単一ケージの管理であれば、プローブなしでも十分実用的です。
⑤追加機能|最高最低値記録・アラームは必要?
デジタル式温湿度計には、基本的な測定機能以外にも便利な追加機能を備えたモデルがあります。
最高最低値記録機能:過去24時間の最高温度・最低温度を記録し、留守中の温度変動を把握できます。
夏場のエアコン故障や冬場の暖房切れなど、異常を事後的に発見できるため、トラブルの原因究明に役立ちます。
この機能は2,000円前後のモデルでも標準搭載されることが多く、ほぼ必須と言える機能です。
アラーム機能:設定した温湿度範囲を超えると、音や光で警告してくれる機能です。
在宅時の異常検知には有効ですが、外出中は役に立たないため、スマート温湿度計のプッシュ通知機能のほうが実用的です。
時計・カレンダー機能:温湿度計に時計やカレンダーが表示される機能で、給餌記録や脱皮記録をメモする際に便利です。
これらの追加機能は、必須ではありませんが、より精密な飼育管理を目指す場合に有用です。
【目的別】爬虫類用温湿度計のおすすめ製品

ここでは、目的やレベル別におすすめの温湿度計を紹介します。
製品選びの参考にしてください。
コスパ重視|2,000円以下のおすすめ3選
初めて爬虫類を飼育する方や、コストを抑えたい方向けの製品です。
①ビバリア ツインメーターNEO:温度と湿度を同時表示するデジタル式で、価格は約2,400円になります。
大型液晶で視認性が高く、最高最低値記録機能も搭載しており、初心者に最適なバランス型製品です。
吸盤式とスタンド式の両方に対応し、多くのケージで使用できます。
②GEX コードレスデジタル温湿度計:約2,748円のプローブ付きモデルです。
外部センサーで測定位置を自由に選べるため、小型ケージや多湿環境に適しています。
③小型デジタル温湿度計(汎用品):通販サイトで550円~入手できる格安モデルです。
精度はやや劣りますが、複数ケージ管理で台数を増やしたい場合や、サブ機として使用するには十分実用的です。
ただし、精度チェックは必ず行い、メイン機として信頼できる製品と併用することをおすすめします。
高精度志向|繁殖・希少種飼育者向け2選
繁殖や希少種飼育では、±0.5℃レベルの高精度測定が求められます。
①デジタル温湿度計BIG(神畑養魚):業務用グレードの高精度モデルで、温度±0.5℃、湿度±3%の精度を誇ります。
大型ディスプレイとバックライト付きで視認性も抜群、価格は約4,000~5,000円です。
プローブ付きで測定位置を自由に選べるため、繁殖用の産卵床や孵化器の管理に適しています。
②デラックス温湿度計(Giangarden):精度と耐久性に優れたプロ仕様で、価格は約3,100円です。
校正機能を備えているため、長期使用でも精度を維持できます。
温度変化に弱い種類や、卵の孵化を管理する場合は、こうした精度の高いモデルがあると安心です。
スマート管理|外出先から監視したい人向け2選
外出が多い方や、複数ケージを管理する方には、スマートフォン連携型が便利です。
①SwitchBot温湿度計プラス:Wi-Fi対応で外出先からリアルタイム監視が可能、価格は約3,500円です。
温湿度の異常時にスマホへプッシュ通知が届き、過去のデータをグラフで確認できます。
スマートプラグやエアコンと連携させれば、自動で温度調整する環境も構築できます。
②Govee WiFi温湿度計:Bluetooth/Wi-Fi両対応で、価格は約2,500~4,000円です。
複数の温湿度計を1つのアプリで管理でき、データのエクスポート機能も搭載しています。
アラート設定が細かくカスタマイズでき、温度・湿度それぞれに上限・下限を設定できます。
スマート温湿度計は初期コストは高めですが、長期的な安心感と利便性を考えると、投資価値は十分にあるでしょう。
100均の温湿度計は使える?正直な評価
100円ショップで販売されている温湿度計について、爬虫類飼育での実用性を評価します。
結論:メイン機としては推奨できないが、補助的な使用なら可能です。
100均の温湿度計は、アナログ式が主流で、精度が±10%以上と大きくばらつきます。
少しやわらかく、自然な表現に直すとこうなります。
実際に複数台を並べてみると、同じ場所でも5〜10℃も表示が違うことがあり、正確とはいえません。
また、経年劣化が早く、数ヶ月で針が動かなくなったり、湿度表示が固定されたりするトラブルが報告されています。
使える場面としては、温湿度の大まかな傾向を把握する補助機や、複数ケージ管理でコストを抑えたい場合のサブ機としてなら活用できます。
ただし、必ず信頼できる温湿度計と併用し、100均製品の数値だけを信じないことが大切です。
爬虫類の健康管理を考えると、最低でも1,000円以上のデジタル式温湿度計を1台は用意することを強く推奨します。
爬虫類ケージへの温湿度計の正しい設置場所と使い方

温湿度計を正しく設置しなければ、正確な環境把握ができず、管理ミスにつながります。
ここでは、実践的な設置方法とよくあるNG例を解説します。
基本は「2個設置」|ホットスポット側とクールスポット側
爬虫類飼育では、温度勾配(グラディエント)を作ることが基本です。
ケージ内に高温域(ホットスポット)と低温域(クールスポット)を設け、爬虫類が自分で最適な温度帯を選べるようにします。
この温度勾配を正確に把握するため、温湿度計は最低2個設置することがお勧めです。
1個目の設置場所:ホットスポット側、バスキングライトの直下やパネルヒーターの真上に配置します。
ただし、ライトの直射光が当たる位置は避け、爬虫類が実際に体を置く場所の温度を測定できる位置を選びます。
2個目の設置場所:クールスポット側、ケージの反対端に配置します。
シェルターや水入れの近くなど、爬虫類がクールダウンする場所の温度を測定しましょう。
この2点測定により、ケージ内の温度範囲が把握でき、適切な温度勾配が維持されているか確認できます。
湿度も同様に、ケージ内の場所によって差が出るため、2箇所での測定が理想的です。
設置高さの目安|爬虫類の生活圏に合わせる
温湿度計の設置高さは、飼育する爬虫類の生活圏に合わせることが大切です。
地表性種(ヒョウモントカゲモドキ、フトアゴヒゲトカゲなど):床面から5~10cmの高さに設置します。
これらの種は床面近くで生活するため、床面温度が最も重要な指標となります。
樹上性種(クレステッドゲッコー、グリーンイグアナなど):生活圏の中心となる高さ、ケージの中段~上段に設置しましょう。
樹上性種は立体的に空間を利用するため、複数の高さに温湿度計を配置し、垂直方向の温度勾配も把握することが理想的です。
半樹上性種(ボールパイソンなど):床面と中段の両方に設置し、どちらの温度も監視します。
爬虫類が実際に過ごす場所の温湿度を測定することで、より正確な環境管理が可能になります。
やりがちなNG設置例3つ【失敗を防ぐ】
温湿度計の設置でよくある失敗例を3つ紹介します。
NG例①:ライトの直射光が当たる位置に設置
バスキングライトやUVライトの光が直接当たる位置では、センサーが過剰に加熱され、実際より高い温度が表示されます。
ライトの熱を受ける位置でも、直射光は避け、陰になる場所に設置しましょう。
NG例②:霧吹きの直撃を受ける位置に設置
湿度を上げるための霧吹きが直接かかる位置では、一時的に湿度が100%近くまで上昇し、正確な測定ができません。
また、デジタル式の場合、センサー部に水滴が付着すると故障の原因となります。
霧吹きエリアから少し離れた位置に設置し、ケージ全体の平均的な湿度を測定できるようにします。
NG例③:ケージの端、壁際にのみ設置
ケージの端や壁際は、外気温の影響を受けやすく、ケージ中央部とは異なる温湿度になることがあります。
特に冬場の窓際や夏場の壁際は、極端な温度になりやすいため、爬虫類が実際に過ごす中央部寄りに設置しましょう。
これらのNG例を避けることで、より正確な環境測定が可能になります。
温湿度計の精度をチェックする方法

購入した温湿度計が正確かどうかを確認するため、精度チェックの方法を2つ紹介します。
複数台比較法|2個並べて誤差を確認
最も簡単な精度チェック方法は、複数の温湿度計を同じ場所に並べて比較することです。
同一環境で測定した場合、正常な温湿度計であれば数値は±1~2℃、±3~5%の範囲内に収まるはずです。
手順:
- 2~3台の温湿度計を用意し、同じテーブルや棚の上に並べます。
- 30分~1時間放置し、数値が安定するのを待ちます。
- 各温湿度計の数値を記録し、平均値を計算しましょう。
- 平均値から大きく外れた(±5℃以上、±10%以上)製品は、精度が低いと判断します。
この方法で大きな誤差が見つかった場合は、交換や返品を検討しましょう。
また、定期的(3~6ヶ月ごと)に比較チェックを行うことで、経年劣化による精度低下も早期に発見できます。
飽和塩法|湿度センサーの精度を厳密に測定
湿度センサーの精度を厳密にチェックしたい場合は、飽和塩法(塩法)という方法が有効です。
これは、特定の飽和塩溶液が作り出す一定湿度環境を利用して、湿度計の精度を校正する方法です。
手順(塩化ナトリウム飽和溶液を使用する場合):
- 密閉できる容器(タッパーなど)に、食塩と少量の水を入れ、飽和食塩水を作ります(溶けきらない塩が残る状態)。
- 温湿度計を容器内に入れ、蓋をしっかり閉めます。
- 室温20~25℃の環境で6~8時間放置します。
- 塩化ナトリウム飽和溶液は約75%RHの湿度環境を作るため、温湿度計が75%±3%を示せば精度は良好です。
もし大きく外れている場合、デジタル式であればキャリブレーション(校正)機能で調整できる製品もあります。
この方法は、繁殖や孵化管理など、シビアな湿度管理が必要な場合に特に有効です。
他にも、塩化マグネシウム(約33%RH)や硝酸カリウム(約93%RH)など、異なる湿度帯での校正も可能です。
爬虫類の温湿度計に関するよくある質問

爬虫類飼育者からよく寄せられる温湿度計に関する質問に回答します。
Q. 温湿度計はどのくらいで買い替えるべき?
A: デジタル式温湿度計の寿命は一般的に2~3年、アナログ式は1~2年が目安です。ただし、使用環境や頻度によって大きく変わります。
精度チェックを定期的(3~6ヶ月ごと)に行い、他の温湿度計と比較して±5℃以上、±10%以上の誤差が出るようになったら買い替えのサインです。特に高温多湿環境で使用する場合、センサーの劣化が早まるため、年1回程度の買い替えがおすすめです。
電池交換後も動作しない、液晶表示が薄くなる、数値が固定されて動かないなどの症状が出たら、即座に交換しましょう。
Q. ケージ内が結露するのは湿度が高すぎる?
A: 結露は必ずしも湿度過多を意味しません。結露はケージ内外の温度差によって発生するため、冬場にケージ内を加温している場合、ガラス面が冷えて結露しやすくなります。湿度計の数値が適正範囲内(60~70%程度)であれば、結露があっても問題ありません。
ただし、床材がびしょびしょになる、シェルター内部まで湿っているなどの場合は、湿度が高すぎる可能性があります。結露対策としては、ケージの一部に通気口を設ける、断熱材でガラス面の温度低下を防ぐ、除湿剤を設置するなどの方法が有効です。
Q. デジタルとアナログどっちがいい?
A: 爬虫類飼育においては、デジタル式を強く推奨します。
理由は以下の通りです。
①精度が高い(±1℃/±5%)
②数値が明確で読み間違いがない
③最高最低値記録など追加機能が充実
④価格差が小さい(1,000~2,000円台で入手可能)
アナログ式のメリットは電池不要という点だけで、精度・視認性・機能性すべてでデジタル式に劣ります。ただし、停電時のバックアップや、レトロな見た目を好む場合は、サブ機としてアナログ式を併用するのも一案です。初心者は迷わずデジタル式を選びましょう。
Q. プローブ付きとプローブなしの違いは?
A: プローブ(外部センサー)付き温湿度計は、本体とセンサー部が分離しており、ケーブルで接続されています。
プローブ付きのメリットは、
①本体をケージ外に設置しながらケージ内を測定できる
②小型ケージや多湿環境でも本体が故障しにくい
③ホットスポット直下など本体を置けない場所を測定できる
の3点です。
プローブなしのメリットは、
①価格が安い
②シンプルで故障しにくい
③設置が簡単
の3点です。
初心者で単一ケージ管理ならプローブなしでも十分ですが、複数ケージ管理や繁殖を目指す場合はプローブ付きが便利です。価格差は500~1,000円程度なので、予算が許せばプローブ付きを選ぶことをおすすめします。
【まとめ】爬虫類用温湿度計選びのチェックリスト

爬虫類の健康と長寿のために、温湿度計選びと設置の重要ポイントをまとめます。
- 精度を最優先:温度±1℃、湿度±5%以内の製品を選び、購入後は必ず精度チェックを実施する
- 初心者はデジタル式:視認性・機能性・価格のバランスが最も優れたデジタル式(2,000円前後)を選ぶ
- 2箇所設置が基本:ホットスポット側とクールスポット側に最低2個設置し、温度勾配を正確に把握する
- 生活圏の高さに合わせる:地表性種は床面から5~10cm、樹上性種は生活圏の中心高さに設置する
- ライト直射・霧吹き直撃を避ける:測定誤差や故障の原因となるため、適切な位置選びが重要
- 定期的な精度チェック:3~6ヶ月ごとに複数台比較や飽和塩法で精度を確認し、劣化したら買い替える
- 目的に応じた選択:繁殖目的なら高精度モデル、外出が多いならスマート型を選び、機能と予算のバランスを取る
温湿度管理は爬虫類飼育の生命線です。
適切な温湿度計を選び、正しく設置することで、あなたの爬虫類は健康で快適な生活を送れます。
この記事の情報を参考に、最適な温湿度計を見つけ、より良い飼育環境を整えてください。


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